解決策はあるのか
                                                                                                                                                                      November 23, 2006
                                                                                                                                                       最終更新  December 2, 2006


解決策の最大のものは、特許の保護を強くすることである。

1.研究者・技術者は人類に多大な貢献をして、その正当な対価を得るべきである

研究者・技術者の人類に対する貢献は莫大である。
優れた技術を開発した者は、たとえば多くの命を救ったり、人々の生活を豊かにすることができるのである。また、日本のみならず、世界人類の進歩に大きな貢献ができる。

極めて優れた研究者・技術者は、社長よりも高い給与をもらうべきであろう。
長者番付の10位以内に、少なくとも3人は、偉大な発明をした研究者・技術者が入ってしかるべきである。

しかし、現実は0人である。代わりに、土地や株を売った人や、マネーゲームで儲けた人がランクインしてきた。優れた研究者・技術者の中には、これらの者よりも、社会に莫大な貢献をしている者がいるはずである。

2.特許を強く保護して、研究者・技術者の地位を向上させるべきである

研究者・技術者の地位を向上させるには、ノーベル賞のような賞で報いるか、特許で報いることが考えられる。しかし、ノーベル賞の受賞者は少ない。そして、
ノーベル賞一歩手前のレベルの研究者・技術者ですら、日本では不遇でありうる。

会社で変人扱いされていた不遇な技術者が、ノーベル賞を受賞したとたんに、脚光を浴びる。それまで、その人を軽々しく扱っていた者が、急にうやうやしく扱うようになるのである。社会の現実というのは、このように恐ろしいものである。

ノーベル賞では報いることのできる人数が限定されている。特許が莫大な利益を生むような社会を作り、より多くの研究者・技術者が生き生きと仕事ができるような環境を作らなければならない。

特許を強く保護すると、研究者・技術者は莫大な富を生む「金の卵」になるのである。それにより、比較的丁重に扱われる。待遇はもちろん、より自由に研究・開発ができるようになるし、雑事に忙殺されることもなくなるのである。すなわち、好きなことをすることがよりやりやすくなる。 逆に、特許の保護が弱い場合、研究者・技術者は、お金にならない「穀潰し」になってしまう。そして、会社にもっと利益になるようなことをするようにという、反論が困難な理由によって、「雑用」等を押し付けられることになるのである。研究者・技術者がそれに抵抗すれば、「稼いでもいないくせに偉そうに」と周囲の人間は見下すのである。恐ろしいことだが、これが輝かしい人間社会のもう一つの側面なのである。研究者・技術者をこのような醜い社会の現実から守るためには、特許の強い保護が必要である。

研究者・技術者が最大限に力を発揮したとき、日本には世界に誇れる発明があふれていく。何よりも、研究者・技術者が、会社の中で愚痴だらけになるのではなく、日々わくわくと研究・開発活動に邁進するような明るい社会が生まれていく。それが、真に文化的で先進的な社会を生み、人間が本来備えている輝かしい可能性を開花させるのである。

日本の未来のために、知的財産立国・技術立国が叫ばれているが、産業競争力のことばかり論じられている。しかし、一番大切なことは、研究者・技術者が、日々わくわくと研究・開発活動に邁進できる環境作り である

技術立国・知的財産立国に関しては、日本人全体において、利害は共通している。しかし、政策が本当に技術者のためのものなのかは、@技術者の地位向上に言及しているか、A「わくわく」というような技術者の躍動する気持ちを重視しているか否かを見れば分かるのである。

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